2023.05.31
中小企業のM&Aで、長期間売れないときの対策
M&Aのインターネットマッチングサイトをみていると、売り案件として公表されてから1年、2年と経過している案件がたくさんあります。
このようになかなか買い手がつかない場合に、売り手に検討していただきたい点を2点お伝えします。
①譲渡希望価格に対して買い手が支払うM&Aの仲介手数料は適切かどうか
例えば、あなたが買い手だとして、次のような売り案件をみてどう感じるでしょうか。
・譲渡希望価格 3,000万円
・仲介手数料 1,000万円
事業内容はさておき、表面上の譲渡希望価格と買い手が支払う仲介手数料をみたときに
私は仲介手数料が譲渡希望価格に対して高いと感じます。
譲渡希望価格が数千万円、数百万円の案件で、仲介手数料がネックになって、買い手がつかない案件というのがたくさんあると感じています。
このような場合、買い手が支払う仲介手数料が、他の仲介会社の手数料と比べて高くないか、確認してください。
さらに、買い手が支払う仲介手数料が高い場合に、交渉相手を買い手FA(買い手のアドバイザー)不可としていると、さらに買い手の間口が狭くなってしまいます。
長期間決まらない場合は、仲介限定にせず、買い手についているアドバイザーからも交渉を受け付けるほうが、買い手候補に出会える可能性が高まると思います。
②適切な自社の価値を把握できているか
譲渡希望価格が明らかに高すぎる場合も、売却が進まない理由の一つにあげられます。
例えば、物を売るときには、以下のような点を考慮して値付けされることが一般的です。
・その物にどれだけ費用を投じたか
・その物がどれだけ収益を生み出すのか
・その物が市場でどれくらいの金額で取引されているか
これらが明確でない状態では、物の値段を適切につけることは困難です。
会社の価値の考え方も基本的には同じです。
・自社の純資産は時価に修正するとどれくらいになるのか(時価純資産)
・自社の本来の利益はどれくらいか(正常利益)、将来生み出す利益はどれくらいか
・自社と同規模の会社はどれくらいの金額で取引されているのか
会社の時価純資産と正常利益を把握することは、適切な企業価値を把握するためのスタートラインです。
決算書の表面の数字を見ただけでは時価純資産と正常利益は分からないので、適切な企業価値は把握できません。
長期間、買い手が見つからない場合は、自社を売却する場合にどれくらいの金額なら妥当なのか専門家の意見を聞いて、それをもとに譲渡希望価格を見直してください。
「買い手がなかなかみつからない」
「M&A仲介会社に頼んでいるが長期間進展しない」
このようなかたは、一度弊社にご相談ください。
【執筆者】
コクド鑑定・調査株式会社
経営支援事業部 次長 岡部康信
弊社は三重県にあるM&A認定支援機関登録会社(中小企業庁)です。
M&Aを検討したい企業様、個人事業主様はご相談ください。
買い手側・売り手側ともに支援可能です。
M&A大手仲介や銀行等では手数料があわない場合でもご相談ください。
小規模な案件から譲渡対価で数億円の案件まで、様々な業種で支援実績があります。
完全成功報酬、秘密厳守でご支援させていただきます。