2014.12.04
「長野北部地震と阿蘇山噴火」~「断層の活用」
平成26年11月22日に長野県北部で震度6弱を観測した地震は、活断層「糸魚川−静岡構造線断層帯」の一部である神城断層で発生した可能性が高いとしています。
大鹿村中央構造線博物館ホームページより
糸魚川−静岡構造線は「フォッサマグナ」の西辺で、本州を地質学的に東北日本と西南日本に分ける大断層線です。
このフォッサマグナ西崖の杖突峠から、伊勢湾を渡り、紀伊半島・四国を経て九州まで連続する国内最大級の大断層「中央構造線」があり、西南日本を内帯と外帯に分けています。
この中央構造線は、三重県を東西に横断しています。
11月25日に噴火した九州の阿蘇山は、中央構造線上にあります。
- 中央構造線マップ
https://www.google.com/maps/d/viewer?mid=zrVDaszp7X6Q.kCAgt2rMc_fQ&msa=0
ちなみに、松阪市飯高町月出には中央構造線の断層露頭地があり、「月出の中央構造線露頭地」として国指定の天然記念物に指定されています。
- 月出の中央構造線露頭地
http://www.bunka.pref.mie.lg.jp/rekishi/kenshi/asp/hakken2/detail.asp?record=393
断層は、土地であり、不動産です。そして、自然的・学術的に重要な断層(土地)は、その稀少性から「天然記念物」として文化財保護法等で保護されたり、野外観察の場やジオパークとして活用されることもあり、公的機関や研究機関の需要対象となります。(重要・稀少な断層は価値が高い?)
平成27年1月に20周年を迎える阪神・淡路大震災も、淡路島にある「野島断層」がずれ動いたことが知られていますが、この野島断層も、国指定の天然記念物で「北淡震災記念公園の野島断層保存館」に震災当時のままに保存して展示されています。
(三重県歴史的文化的資産保全活用推進員:鈴木茂基)
- 三重の活断層
- 三重県内活断層図(北勢地域)
http://www.bosaimie.jp/mhc00.html
- 三重県内活断層図(中南勢地域)
http://www.bosaimie.jp/mhd00.html
- 三重県内活断層図(伊賀地域・東紀州地域)